nimi-title: ハムハムだいあり〜
title: My Memories

第1章

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★ プロローグ

それは、近所のペットショップに、いつものようにふらっと立ち寄った時のこと。
定番の子猫と子犬のコーナーをニコニコと眺め終わったあと、 ふと一方を見ると初めて見る生き物たちがわらわらしている!

それは小さい!
ふさふさのしっぽがないのに、背中にはまるでリスのような模様が付いている!
鼻はうさぎのようにぴくぴくしている!
ごはんの食べ方はねずみそっくり!
ふんわりと柔らかそう〜!
くりくりのお目目!
何とも初体験な生き物がそこにいた。
これがジャンガリアン・ハムスターとの出会いだった。

以来、猫と犬のコーナーはそっちのけで真っ先にハムスターのコーナーに走るようになった。
ツボにハマるとはこのことか! と実感する毎日だった。

家にいてもハムスターを飼うことばかり考えるようになった。
ものすごく悩んで悩んで、だんだん自分でも飼えるような気になってきた。

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★ 祝・ご購入

とにかく、右も左も分からないまま連れてきてしまった。
急いで飼育本を買いに出かけ、ハムのHPを探した。

彼はとても元気が良く、飼い主がドキドキしながら箱を開けたとたんにだだだーっと飛び出してきて、 ガラステーブルの下へ落っこちた。
注意深さのカケラもない子だった。

自分の家らしきものに収められてからは、好きな場所を陣取ってごはんを食べたり眠ったりしていた。
少し離れたところから、いつまでも飽きずに眺めていたものだ。
彼のやることなすことが面白くてたまらなかった。
とにかくいつも見ていた。
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★ 名前

名前は、彼が来るずい分前から じゃんが郎 と決まっていた。
男の子を飼ってみようかという話しになったとき、
ジャンガリアンの男の子だから、といって主人がつけてくれた。
最初は「ヘンな名前〜。」とか思っていたが、じわじわと気に入ってきた。

★ 噛み癖

彼は、手に乗せるとすかさず噛み付いた。
とにかく人の手が嫌いだった。
油断して近くに手を持っていこうものなら、すかさずガブリ!
しかも、ういぃぃぃぃぃ〜ん! と顔を左右に振って手足をつっぱり、すっぽんのように離れなかった。
息継ぎの度にワうん! と噛み直すからまた痛い。
その息継ぎの隙をみて、引っ張って取ったものだ。
だが、油断すると反対側の引っ張った方の手にくらいついてくるからタイヘンだ。

飼育本やホームページに載っている写真のような、 飼い主の手の上できょとん、とおすましするハムスターは、そこには存在しなかった。

飼い主の期待は敗れた。

どうやら選び方が間違っていたようだ。
とにかく健康な子を、と思い元気良く飛びついてくる子に決めた。
彼は人間の手が好きで飛びついていたのではなく、
人間の手にかぶり付きたくて飛びついていたのだ。 がーん。

かくして、手袋必須でのハム飼いが始まった。

★ 小さい

とにかく小さな生き物だ。
写真に撮ろうとしても小さすぎてうまく写せない。
普通のカメラで上手に撮れるようになるまで、ずい分かかった。

初めて実家から母が来たとき、母は彼を見るなりこう言った。
「ちいさ〜い!」
猫を飼っている母は彼が猫の足先ほどしかないことにとても驚いていた。

だって、30グラムだって、ちゃんと言ってあったじゃない。
それでも、こんなに小さい生き物とは思わなかったらしい。
母は必ず老眼鏡持参で遊びに来るようになった。

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★ 脱走

それは突然だった。
おすし屋さんからほろ酔いで帰ってくると、
なぜか彼は高さ80センチのタンスの上でお帰りと言ってくれた。 目がテンだ。
どうやってそこに登ったのか、と考える間もなく、
彼はタンスの後ろにダイビングした。
うわぁぁぁぁぁぁ! と叫んだかどうかは覚えてないが、
とにかくタンスの後ろに向かっておーいおーいと声をかけていた。
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★ 脱走2

ある晩のこと。
夜中に主人が何やらごそごそやっている音で目が覚めた。
頭のそばでカサカサ音がすると言って、枕元をひっくり返していた。
どうやら、じゃんが郎がすぐ近くにいるらしいのだ。
別室に置いてある彼の家を見たら、そこはもぬけのからだった。
ベッドサイドの床に置いてある、枕元のティシュの箱があやしい! と振ってみたが、 カラカラとウンチの音はするものの、本人さまの姿はなかった。
反対側のベッドサイドのティッシュ箱も、やはりウンチの音だけ。
「ええ〜っ!両方とも入って遊んだの〜!」
しかし、驚いている場合ではなく、早く見つけ出さなくては。

丑三つ時の夜の夜中に、じゃんが郎探しが始まった。
懐中電灯を照らして、隙間という隙間を探した。
おーいおーいと彼の名を呼びながら大人2人が家中をウロウロする姿は、
何とも滑稽だったに違いない。

… ずい分長いこと探したが、キッチンでウンチを1個発見しただけで、
彼はどこにも見当たらなかった。 何かがおかしい。

暫くして。
「やっぱりここだった。」と言って、 主人が枕元にあったティッシュ箱を持ってきた。 ティッシュがたくさん入っているので 気付きにくかったが、よくよく注意して持ち上げてみるとほんのり重く、何と!
箱の底がホカホカだった…。
彼はティッシュ箱の中でお布団を贅沢に使って気持ちよさそうに眠っていたのだ。 どうやって 入ったのか、外から見たら全く分からない状態。
疲れた…。 ていうか眠い。 でも、無事に見つかってよかった…。

その晩から、まだ中身がたっぷり残っている2つのティッシュ箱は、
そのまま彼の別荘になった。
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★ 噛み癖2

彼の噛み癖は治らなかった。
HPに出ていることをいろいろ試してみたが、効果なし。
生足やストッキングも厳禁。

何でこんなに人間嫌いなのか。
ペットショップで何があったのか。
どんな苦労をしてきたのか。
…想像だにできない。

★ 食いしん坊

彼はとにかく何でも好きだ。
そして、あれほど人の手を嫌う彼なのに、
食べている時なら少しくらいいじくりまわしても何にも文句を言わない。
こんな性格、自然界では真っ先に襲われて命をなくすんだろうなぁ、
と思いつつ、大好物を与えてそのスキに爪を切る技を習得した。
食べてさえいれば写真撮影もらっくち〜ん!

★ しあわせ

お買物の帰り道。
あのコが家でまあるくなって、くーすか眠っているところを想像した。
からだのまわりがほわ〜んとあったかくなった。

電車の中で。
今、あのコがこのムネポッケからヒョコっと顔を出したら?
考えただけで楽しくなった。 早く家に帰りたくなった。
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・・・お話しは更に延々と続く。

ていうか、いつまでたっても続かなくてゴメンなさい…。

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